安倍晋三 内閣総理大臣

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この度「第一回UTAU DAIKU in ウィーン」がベートーヴェンが作曲した地ウィーンで開催されることを、心からお喜び申し上げます。300名以上の日本の方々がウィーンへ出向き、一流の指揮者やソリスト、オーケストラと共に「歓喜の歌(Ode an der Freude)」を歌われることは平和と復興の象徴として素晴らしいコンサートといえるでしょう。世界の皆様からのあたたかい支援を受け、今、被災地は力強く復興しつつあります。その息吹を歌声から感じとっていただけるものと思います。このコンサートを通じ、オーストリアと日本両国の文化交流の促進ならびに友好の絆が一層深まることを切に願っております。本公演の実現にご尽力された関係者各位に深甚なる敬意を表しますと共にご成功を祈念いたします。

[特別推薦] ベルンハルド・ツィムブルグ 駐日オーストリア大使


音楽は、日本とオーストリアの関係を橋渡しする重要な役割を果たしています。ならば、「第九」を歌うという日本の伝統を、両国の音楽交流に結びつけるのに誰も異論はないでしょう。ベートーヴェンの交響曲第9番は、ベートーヴェンがこの作品を作曲したオーストリアにとって、特別な位置を占めるものです。日本の合唱団をオーストリアに招聘し、オーストリアの合唱団やソリストと一緒に「第九」の演奏会を行うこのプロジェクトは、まさにその理念を実現するものです。また、このプロジェクトで強調されるのは、2011年3月11日の東日本大震災の最大の被災地である東北地域に、その収益が寄付されるというチャリティーとしての背景もあることです。音楽による文化交流、観光、そして人と人との直接の触れ合いの場づくりを、一つのコンセプトに調和させたこのプロジェクトは、日本とオーストリアの間に新しい、そして価値ある絆と友情を築くのに貢献することでしょう。[UTAU DAIKU]を企画した各団体の皆さまに心からお祝いを申し上げます。

竹歳誠 駐オーストリア特命全権大使


駐オーストリア日本大使の竹歳誠です。第1回歌うDAIKU in ウィーンの開催を心よりお慶び申し上げます。第一次世界大戦時期の板東俘虜収容所においてベートーベンの交響曲第9番が演奏され、日本人がこの音楽に初めて触れてから100年近くが過ぎました。今では数多くの日本人が躍動感と希望に満ちたこの曲に魅了され、自ら合唱に参加する音楽愛好家の方も大変多く、日本各地で年末に催される第九コンサートは既に日本の12月の風物詩とも言えます。欧州の人々のみならず日本人にとっても特別な曲であるこの第九を、日本からの大合唱団とオーストリアのアーティストの方々が一体となって、音楽の本場ウィーンで歌うというのは、日本とオーストリアの音楽交流の深さを示す象徴的なイベントだと考えております。今回のイベントの収益金の一部は東北復興支援のために寄付されると伺っており、主催者や出演者の方々の被災地に対する思いに深く敬意を表したいと思います。皆様のコンサートの成功を心よりお祈り申し上げます。

桜井勝延 福島県南相馬市長


福島県南相馬市長 桜井勝延です。書面でのごあいさつで失礼いたします。この度は、遠くオーストリアにおいて、社団法人世界音楽合唱チャリティー協会、ウィーン市観光局、オーストリア政府観光局の共催による、東日本大震災復興支援プロジェクト復興コンサート「歌うDAIKUinウィーン」を企画していただき、誠にありがとうございます。また、復興コンサート「歌うDAIKUinウィーン」の収益金の一部については、東日本大震災の遺児等に対してご寄付をしていただけるとのこと、重ねて御礼申し上げます。東日本大震災により、東北地方は大きな被害を受けましたが、日本全国、世界中から、たくさんのご支援をいただき、少しずつではありますが、着実に復旧・復興を進めております。復興コンサート「歌うDAIKUinウィーン」には、昨年ウィーン少年合唱団と共演をさせていただいた、当市中高生によるMJCアンサンブルの出演のほか、日本人で歌唱経験のある方は、参加が可能と聞いております。音楽を通じて、国境を越えた市民レベルでの参加型文化交流が、出来ることは大変喜ばしいことであり、是非、多くの方のご参加をご期待申し上げます。結びに、ハインツ・フィッシャーオーストリア共和国大統領をはじめ、ベルンハルト・ツィムブルグ駐日オーストリア大使、そのほか多くのオーストリアの方々のご尽力に、感謝を申し上げ、ご挨拶といたします。